自律神経失調症とは
神経は、脳から脊髄の身体の中央部を通る中枢神経と身体の隅々に張り巡らされて、中枢神経を通して脳や脊髄と連絡を取り合う末梢神経で構成されたネットワークです。
このうち、末梢神経はさらに運動神経と自律神経に分かれていて、運動神経は脳からの命令で身体を動かし、自律神経は鼓動や呼吸など様々な臓器を無意識のうちに調節しています。
また、自律神経はさらに交感神経と副交感神経に分かれており、交感神経は呼吸や心拍を早め、血圧を上昇させるなど内臓の働きを亢進させる働きをし、副交感神経は逆に鎮静させる働きをしています。
自律神経失調症の主な症状
自律神経は多くの臓器をつかさどっているため、ひとたびバランスが崩れると、実に様々な症状があらわれます。以下のような症状が続くときは自律神経失調症のサインかもしれません。
- 心が落ち込んでしまう
- イライラや不安を感じる
- 記憶力や集中力が低下している
- よく眠れない
- 眠りが浅い
- 朝なかなか起きられない
- 食欲が出ない
- 胃痛や下痢、便秘など胃腸の不快感
- 血圧の上昇
- 頻脈や不整脈
- ほてり
- 冷え
- 発汗
- めまい
- 頭痛
- 肩こり
- 手足のしびれ
- 微熱
- 頻尿
- 疲労感や倦怠感
自律神経失調症の原因
自律神経失調症を起こす原因としては、ホルモンバランスが崩れること、大きく環境が変化したり生活習慣が乱れたりすること、ストレスなどが考えられます。
たとえば、職場が変わる、転勤があった、結婚したなど、それまでと大きく生活環境が変化することが原因となることがあります。
また、生活習慣のなかで、健康ドリンクやコーヒーなどの飲みすぎによるカフェイン過多、飲酒、喫煙などが自律神経のバランスを崩してしまうことがあります。
ストレスは人によって感じ方が異なるものです。ストレスを強く感じやすいタイプの人は、無理をしてものごとに取り組みすぎたり、うまく休みをとれなかったりする人に多く、自律神経のバランスを崩しやすいと言えるでしょう。
さらにホルモンバランス変化によるものは、女性に多く、月経周期や、妊娠、更年期障害がきっかけになったりなどで自律神経失調症を起こすケースがあります。
自律神経失調症の治療について
自律神経失調症は、身体的な症状はあるものの、医師の診断を受け、検査をしてみてもどこも悪くないということも多く、なかなか周囲に理解をしてもらいにくいという、他の心療内科系の不調と同じような特徴を示します。
当院では自律神経の乱れに大きく関連している、ストレス、生活習慣の乱れや生活環境の変化への対処は休養と心のリラックスが基本として生活指導を行い、生活リズムの乱れや神経のバランスに悪い生活習慣の修整を行っていきますのでお気軽にご相談ください。
なお、崩れてしまった神経のバランスを修復するため、症状や程度によって、漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬などによる薬物療法も行っています。